「やる気スイッチ」?

 Uターンで地元に戻ってきた私には、夢もやりたい事も本当に何もなかった。
その時の事をはっきりと、覚えている。
 
 都会での仕事に見切りをつけて、実家に戻ってきた私は毎日、毎日やる事もなく(どこにやる気スイッチがあるんだ?そもそも、やる気スイッチってあるのか?)という事ばかり、考えていた。自宅は町の中心街から離れた山がちなところにあり、近くに店もなければ遊ぶような施設もない。近くにあるのは、雄大な自然だけだ。日に何本もないバスしか交通手段もなく、自分は陸の孤島にいる様な気分だった。
 
 そんな毎日をただ、ただ焦るでもなくどうしたもんか、とただ過ごしていた。何もやる気が起きなかった。

 そんな日が半年も過ぎただろうか。

 何の前触れもなく、以前に興味があった事をある日なぜか急に思い出し、それをやってみようと思った。
そうなったら、早かった。それは資格に繋がる興味でその資格を取るには、時間もお金も相当にかかる。ということは、何かで働きつつお金を用意する必要があるぞ。でも、残業ばかりじゃぁその資格取得のための勉強ができないぞ。と、いうことは派遣に登録して仕事は比較的融通が利くような事にしよう、とか。

 ということで、俄然やる気を出した私は動き出すことが出来た。

 あれはなんだったんだろう、と思い出すことがよくある。

 誰しも「やる気」というのは、自分の内側からしか生まれ出ないのじゃないか、と言う事に気がついたのだ。
自分でもない他の人から「どうしてやる気を出さないんだ!」とか、「こうしたらどう?」とかの叱咤激励や励まし、アドバイス、場合によっては脅しに近いものまで、その人を心配して色々な言葉をかけてもらう事もある。
 でも。
 出そうにも、本当に「やる気」が出せない時があるのだ。
 きっと、外から押そうにも押せない「やる気スイッチ」なるものは、きっと自分の内側にしかない。それも、自ら押そうという様なものでなく、なんかのきっかけでふっと「ON!」になるものなんじゃないかな、と思う。
 
 自分のそんな経験が、誰かのやる気が「ON!」に繋がればいいな、と思ってコーチをしています。

 あなたは、どんな時に「やる気」が出ますか?
 

2021/11/5