そのまま受け取る

 誰かと会話をしている時に、相手が言った言葉をそのまま受取ると言う事は、「(言葉の通り)そのまま受取る」と意識していないととなかなかできないものだ。
「そのまま」受取るというのは、「文字通り」ということなので、誰もがその言語・言葉を知っている限り「そのまま受取けとれている」と思っているのだが、実はその人のその時の感情、相手との関係性や、聞いている側のそれまでの経験等、様々な幾重ものフィルターを通して変化した形で受取っている、といってもいい。

その事に実は気づいていない。
例えば、「綺麗な色のシャツですね」と誰かに言われたとしよう。
例1:家を出る直前にイライラしながら他の物の下敷きになっていたシャツを選んだとして、(しわくちゃって事かしら?)とか、
例2:Zoomで商談の相手に初めて向かい合っているとして、(あれ?これって商談成立って事?)とか、
例3:自分はシャツが好きで色々と持っているとして(この人はボタンダウンのかっこ良さを知ってるよなぁ)とか、文章にしてみると「話を聴いているの?」と思うだろうが、実は頭の中で他者の言葉を自分が聞きたい様に編集(変化させて)してしまっている。

実際には、その自分のフィルターに気が付くのは難しい。でも、「幾重ものフィルターを掛けて」自分が相手の言葉を聴いているのかもしれない、と意識してみるとその言葉は違って聞こえるに違いない。

今日、あなたは向かい合っているその人の言葉を「そのまま」受取れていますか?

2023/4/14