自分が、時間をコントロールする

 朝、出勤する。
 出勤したとたん、同僚から「昨日のあれさ、どうなってる?」声を掛けられて、慌てて昨日準備しておいた資料を引出しの中、書類ケースの中を探しまわる。その後、電話での問い合わせや、「これさ、今日中に確認しておいてくれる?」と別の用件も依頼される。
 気が付くともう17時だ。あ~、今日も全然、自分の仕事が出来なかった・・・。と、17時から積まれたままの仕事の山に手をつける・・・というのが、思い出される私のサラリーマン時代の日常だ。
 まさに、周りからの色々な事に振り回されて、自分の事が全て後回し。自分で自分の時間や仕事をコントロールする、出来るという事を見失ったままどんどんと疲弊していった。
 期待に応えたい、とか人の役に立ちたい、とは少し違う。私がその仕事をすれば、誰かの役にたち、誰かの時間は有効に使えるだろう。しかし、「自分の時間」は?誤解を恐れずに言えば、自分の時間を他人に消費され続けていた。
 
 私が経験した仕事には、自分で仕事の契約を取り、進行するためのスケジュールを立て、実行し、報酬をいただく、という種類のものがあった。そこで、学んだことのひとつは、「全て自分が決める・決められる」ということ。お客様との契約に至らなければ報酬にも成らず、契約後に立てたスケジュールを十分に管理しなければ、納期に間に合わずお客様に迷惑が掛かりクレームにもなる。給料も上下する厳しい仕事だったが、一方でもの凄く達成感もあった。この仕事のやり方・考え方が、自分には必要で、物凄く合っている、という発見にもなった。
 
 誰の人生も同じように進む。誰の時間も等しく、とても大切なものだ。その時間をどの様に使うか、は「自分で決められる」し、「自分が決める」と意識を持つべきだ、と私は思っている。サラリーマン時代の私が、「依頼された事は断らない」ともし、自分が決めたなら、依頼される事をする時間も織り込んだ上で、自分の一日の時間の使い方を考えられたかもしれない。更に、それを超える依頼については期限を延長してもらう、断る、という選択も今なら考えられる。
 また、人に何かを依頼する時は、その人の時間も大切だという認識を持つ。本当にする必要があるのか、人に依頼すべき事なのかを考えた上で、依頼を受けてくださった人の最も負担にならない方法や時間を考えなければいけない。経営者の皆さんにインタビューをする際に、今、私がもっとも肝に銘じていることだ。

 あなたは「あなたの時間」を、どの様にコントロールしていますか? 
 

2024/3/20