自分で自分を大切にする、を考える

 「自分を大切にする」という意味を、あまり判らずにいた。
「自分を大切にして下さい」とか「季節柄ご自愛くださいね」等、周りの人に言えても、自分には言えずにいた。なぜか(まだまだだ、これじゃぁだめだ)等の言葉を自分には掛けていたのか?それとも、それらの労いの言葉を自分に掛けるという発想すらなかったというのが、正確かもしれない。
 ある時、友人に「自分にも優しく」と言われて、(どういう意味だろう)と思っていた。私はどちらかと言えば、(家族の為にそこまで頑張れない)とか(今日は休んでもいいでしょ)等とはよく思うし、自分が思ったその通りに行動するので、彼女の様にはなれないと思っていた。本当に彼女を心から尊敬しているからだ。
 しかし、有る時、食事を作りながらふと、「自分のために、きちんとした食事を準備しよう」と思ったのだ。
家族分の食事を作る時は、自分も同じように食事を取るのに対して、自分だけになるとどうもお粗末になりがちだったからだ。
 自分のために用意した食事を食べながら、(この一つ一つが自分を作っているのだな)と考えながら、ハッとした。他人に声を掛けるように、自分に対しても(今日はお疲れさん、なかなかやったじゃないか!)とは声を掛けけてもいいじゃないか、と思えた。そうか、「自分で自分を大切にする」とは、こういう事なのかな、と少しコツがつかめたような気がした。
 
 私は「自分を満たし、仲間を満たし、満たされた人同士が繋がっている世界を目指す」事を起業理念としながら、実の所、自分自身が十分に満たされていなかったのかもしれない、と今更ながらに気が付いた。
 「自分を大切にする」その方法等は人それぞれ違うだろう。また、他人から自分が大切にされた様に見えても、その人自身がそう感じるかどうかは、その人にしか判らない。結局、「自分で自分を大切にする」事によって、自分自身が満たされていくのではないか。

 自分なりに頑張ってみた事を(今日はがんばったな)とか、他人から大切にされた事を(あぁ、なんて温かい言葉だろう)と実感できる自分がいる、それらを立ち止まって受け止めてみる。そういう時間を作る事が、「自分を自分で大切にする」事なのかもしれない。私自身が自分を満たすうえでも、もう少しそういう事柄を振り返る意味も含めて、受取る時間が必要なのかもしれない。

 あなたが「あなた自身を満たす瞬間」は、どんな時でしょうか?

2023/11/13