私、わたし、ワタシ、WATASHI?!

  何がやりたいか、わからない。セッションの中でクライアント(お客様)からよく聞く。
 コーチとしてクライアントに、その方がこれからご自身のキャリアのみならず、自分自身がどんな人生を歩んでいきたいのかを質問する。それは、ご自身にしか判らないし、ご自身が決めるものだからだ。
  私 :どんな事を、これからの人生で経験したいですか?
クライアント:今までの仕事上の経験に近い事でしょうか?
  私 :その中で何が楽しくて、好きでしたか?
クライアント:仕事ですから、好きも何もやるしかなかったですからね。
  私 :では、あなたは何をしている時が、楽しいと思えますか?
クライアント:それが、よく判らないのです・・・・
 という様な、会話になる。
 
 私自身の事を振り返ってみる。
 私はどちらかといえば、物事の好き嫌いがはっきりしているので、やりたいかやりたくないかで、仕事を選んできた。
 新入社員として入社した保険会社で行き詰まり、9年で退社した。その時に思った事は(これからは、後悔しない様に、やりたい事をやろう!)だった。そこで、本当はやりたかった住宅リフォームの会社に営業担当として入社した。人見知りの私には最も不向きな職種だったが、幼い頃から建築に興味があったものの、業界未経験者の私が、入社するには他に方法が判らなかった。
 9年間、デスクワークの経験しかない私が、その日から営業担当としてお客様に向き合わなければならない。業界特有の用語が判らず、商品知識もさっぱりだ。最初は店長や先輩に同行して営業のやり方や様々な商品知識を学ぶのだが、すぐに一人で活動するように促された。途方に暮れた。それでも、自分のノルマや店長の目もあり、判らない事を先輩や職人さんに尋ねて回った。そのうちに、何でも丁寧に教えてくれる職人さんや、業者の人と仲良くなって、一緒に仕事が出来るようになってきた。色々なお客様や職人さんと話をして、お客様の望むリフォーム工事を完成させる。お客様に引き渡して喜んでもらえるのは本当に楽しかった。しかし、繰り返していくうちに営業担当として、お客様のご要望をお聴きし、職人さんを手配して工程を組み、実現させる為のコーディネーターではなく、私自身が職人さんの様に実際に手を動かす(私自身がお客様の為に直接行動する)事がしたくなって、仕事を変えた。
 
 色々な仕事を経験してみて、私自身について判った事が有る。
 私は、「物・事」を「自分が作る事」、「直接、変化に携われる事」が好きだと言う事。
 ①リフォーム工事の様に「物理的な物」を造る事
 ②コーチングの様にクライアントと「関係性」を作り、継続する事
 ③物質が出来上がる工程、クライアントと一緒に進む行程に関わる事
 ④私自身が直接かかわれる事 
 これは、色々と実際に経験をして、自分の過去を振り返って、それを言語化してみて段々と判った様に思う。
 最初の会社で日々仕事に忙殺され余裕がなく、目の前の事をこなす事で精一杯だった時は、自分が何が好きで、何がやりたいかと考えた事もなく、考える事も出来なかった。それを考える様になったのは、仕事を辞めて一旦リセットをした時だ。(この後、どうしようか)。次を決めないまま仕事を辞めた私は、その時から考え始めた様に思う。それでも、頭の中で想像していた事は、目の前にして体験した事実とは異なる事が多かった。それは、経験したからこそ、「違い」や「事実」が実感として判るのだ。特に私の場合は、「自分自身が実際にやってみる事」でしか体感として判らない。
 今、ご自身が、何が好きで、嫌いなのか、何がやりたい事で、やりたくない事なのかが判らないのは、恐らく時間を取って自分自身について考えた事がないだけ、ではないだろうか。または、頭の中で想像するか、目で見るだけで実際に体験した事がないからかもしれない。
 経験を重ねるまで、物を造る事だけが私の好きな事だと思っていたが、苦手な営業職を経験する事で、実は売込みの様な営業の一部は苦手でも、向き合う人と個別に話をするのは面白い事に気が付いた。そうやって、自分の経験を振り返って、更に集約してみて、「現時点での私」が判ったのだと思う。

 あなたはどんな人ですか?

2024/6/25