時間と経験を生かす
自然災害が続いている。
8月初旬、宮崎県沖の日向灘を震源とする地震が起きた事により、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表され、私が住む地域も関係するために慌てた。政府がこの情報を発出する際にも、「すぐに巨大地震が発生するかどうかは判りませんが、地震発生の可能性のために備えてください」と、地震発生の予測が困難なために、この情報により地震がすぐに発生するのか、それとも何年後なのかも判らないとハッキリと言っていた。それでも、この臨時的な情報がすぐに発出され、繰り返し報道された意味は非常にあったと、私は思った。
情報を確認して、私はすぐに(水だ!)と思った。そして、スーパー、薬局、酒屋等、飲料水を販売していると思われる場所に向かった。私と同じ思いの人が大勢いたのだ。どの棚も、「水は欠品です。入荷は不明です。」と空っぽの棚に表示されていた。
数年前から保管していた水はすべて保存期限切れだった。しかし、なかなか重い腰は上がらず、何時か買い直そうと思ったきり、今日が来た。頭を切り替え、水分ならお茶でも他の物に変えて準備しようと、お茶のボトルとポカリスエット等を購入する事にした。
家に戻った私は、今度は緊急時の持ち出し用のバックの中身を点検する事にした。出してみると着替えは冬用のセーター等、保存食は消費期限切れ。備えていたと思っていたが、ほぼ出来ていなかった事に驚いた。そして、更に考えた。いざとなって持ち出す物が自分の全財産になるのだ。本当にそれが着られるのか、歩きやすいのか、着続けられるのか等、実際に避難所で生活する事を想定したものにはなっていなかった。
残念な事に、日本列島では近年災害が多い。被災者の方々が被災以前の生活を取り戻せないうちに、再度、被災している場合もある。その現状をニュースで見ても、なかなかそれを自分事に取り入れられていなかった事に、今回の件で改めて気が付いた。しかし私達はその不幸な現実でも、そこから学ぶ事、事前に備える事が出来る。ニュースでは、被災した方の意見で、実際に役に立ったもの(手回しラジオ:情報が最も大事)、用意しておいた方が良いもの(マスク、消毒用ウエットティッシュ、使い捨ての皿・サランラップ等)を紹介していた。特に、コロナなどの感染症がいまだ拡大傾向にあり、ライフラインが寸断された場合には、特にお互いが衛生面に気をつけ、感染症拡大を食い止めなければならない。その様な情報も、緊急時に持ち出す物を準備をする上で本当に役立った。
また、緊急事態が発生した場合に、どこに向かうか、何で連絡を取りあうのかを母と話し合った。ハザードマップを見てみると、指定避難所が付近に少ないうえに、人口が密集している場所もあり、全員が集まったらとても入りきれないと容易に想像できた。
災害は起こらないに越した事は無いが、実際には起きる。それを想定して、準備が出来れば、それぞれが命を守る事を考える事が出来る。今回の様に、今、何が起きているのか、どんな事が想定できるのかを事前に広く公開し、みんながそれぞれ準備する時間を持つことが、実際には、想定被害を少しでも少なく、小さく出来るのではないか、と台風の暴風雨を聞きながら書いている。
あなたが、非常時を想定して準備している事は何ですか?
参考;災害が起きる前にできること | 首相官邸ホームページ (kantei.go.jp)

