心から癒される
本当に久しぶりに、心から癒されたぁ、と思えた時間。
ビジネスパートナーと出会う為の会に出席してみた。元来、こういう場で多くの人の間を動き回って、出会いを求める事が、私は非常に苦手である。自分からここに来たにも拘らず(困ったなぁ)と思っていた。
偶然、私の近くで一人、背中を向けて立っていらっしゃる女性が目に入ってきた。そろり、そろりと近寄って、背後から「すみません、よろしいですか?」と話しかけてみた。
とても穏やかで優しい笑顔と声で話されるその方は、お茶を飲むことや体を温める事で、人を癒すセラピーの仕事をされている方だった。私の全く知らない世界で、その話に魅了された。若い頃から頑固な冷え性と、年齢からくる不調に悩まされていた私は、その場で彼女の提供されているお茶と癒しを体験してみようと決めた。
約束の当日。彼女に案内されて、セラピールームに伺う。白を基調とした洗練された部屋に静かにボサノバの音楽が流れる。まだ何も始まっていないのに、既に気持ちがリラックスしてきた。
向かい合って、彼女が私の体調や困りごとについて、ゆっくりと質問をする。その間に、初対面の時に私が話した体調に基づきブレンドされた、お茶をいただく。以前、処方された漢方薬の様な独特の匂いや、苦みなどの飲み難さは全くなく、わずかにシナモンの香りがする。温かいそのお茶を頂いただけで、胃の中もぽかぽかするようだ。
その後で、ヨモギ蒸し(参考:よもぎ蒸しとは | 日本よもぎ蒸し協会 (yomogi-mushi.net)を体験した。首から床までをマントで覆い椅子に座る。そのマント内に蒸気を炊き込めて下半身から体を温め、デトックスをするものだ。もともと、冷え性なのにのぼせやすい私は、サウナが苦手であまり利用しないが、これは頭が外に出ているので、のぼせる事もなかった。デトックスのため大量に汗をかくので、飲み物やタオルなどを用意したり、貧血やのぼせによる体調不良になっていないか等、私がリラックスをする事に影響をしない程度に、私の顔色などを診て室内の温度など細心の注意を続けてくれた。
すべての体験を終えて、「このソファーで少し、ゆっくりと寛いでください。」といざなわれたリクライニングチェアの上で、私は心の底から、本当に久しぶりに癒された・・・・・、と感じた。そして、最近こうやって自分自身の心身を十分に癒していなかった事にも気が付いた。
心や体を癒す。自分の好きな事を思いっきり楽しんだり、何もしないでのんびりしたりする事で、自分を癒す事がある。それでも、なかなか頭の中から仕事を完全に切り離したり、直面する課題を一旦脇に置く事が出来ずにいた。知らず知らずのうちに、そうやって自分のパワーが少しずつ消耗されていた。
癒すとは、今日の様に体調改善の為のお茶を飲んだり、全身を温める何かだけでなく、それを提供する人の所作や、空間などの環境も大きく寄与し、その空間全体で行われる事で、より効果があるのだと言う事を体感する経験だった。その空間に置かれた観葉植物が、あまりに元気に生きている姿がそれを表している様だった。
あなたにとって’癒し’とは、どんな事ですか?

