心が動いた、を大切にする

 母親と一緒にセミナーに参加してみた。
 このセミナーは、2024年の今年を振り返り2025年に想いを馳せるという企画。丁度、12月のこの時期に自分自身の1年を振り返る意味でも、とてもいいタイミングであった事と奈良の地で行われる事が決め手となった。久しぶりに奈良に行く、と言う事もあって母親にも声を掛けてみたところ、「行ってみたい!」と即答だった。
 何の気なしに母親に声を掛けてみたのだが、驚いたのは母親がそういうセミナーに関心を持ったと言う事だった。訊くと「あなたがやっているコーチングに興味を持った」と言ってくれた。正直、とても嬉しかった。
 前日、母親に訊くとそういうものに参加した事がなく、面識のない人と話せるだろうか、と不安に思っていたらしい。このセミナーはこの1年を振り返り、来年を考えるという「自分の事」を考えるものであること、思った事、考えた事を話すもので正解・不正解が無いものであることを、私から事前に説明をした。
 
 奈良の町屋街にある風情のある場所で、ファシリテーターを含め7人というこじんまりとした人数で、最初にランチを一緒に食べ、セミナー前半を実施、お茶タイムを挟んで・セミナー後半が行なわれた。
 広げられた写真カードの中から、自分の今の気持ちにピッタリくるものを選んで、それについて想像を巡らせながら、自分の言葉で話す。自分が話していない時に、母親が大きな声でしっかりと話している声が聞こえて、少し驚きながらも、安心した。少人数だったことや年代が少し近い人が多かった事も幸いした。
 ファシリテーターの砂川恵さんやフェミア恵子さんの、奈良や古の女性たちへの温かで強い想い入れのある話を聴いたり、自分の選んだカードを見ながらゆっくり・自由に考える時間をくれるファシリテートが、とても心地良かった。
 母親とふたりで参加できて良かったなと改めて思った。今回は旅行を兼ねてと言う事も有ったが、コーチングに興味を持ってくれて、何時か経験してみたいと思っていてくれたからこそ、このチャンスが実現したと思う。 
 
 私達が何かにチャレンジしようと思う時、まずは(あ!面白そう!)と思って心が動くと思う。その想いの勢いで、そのまま行動が出来れば実現(経験)に結びつく。しかし、心が動いたにも関わらず、(でも、やった事ないしな、ちょっとその時期忙しいかもな、家族はなんと言うかな)等と、色々な想いも同時に次々と思い浮かんで、最初の面白そう!で大きく膨らんだ気持ちはしぼんでしまう。
 人生の中で色々な経験を積んでくると、様々な状況判断が出来るようになって、リスクヘッジをしたり、優先順位を冷静に考えられることで、心が動いたからといって行動に移さない事も多いのではないだろうか。
 
 初めて、セミナーに母親と一緒に参加してみて、私が知らなかった母親の一面を見たような気もした。参加者に皆さんも仰ってくださったが、親が健康で居てくれる事、色々な興味関心を持ち続けている事で、私達は一緒に、この豊かな経験を得る事が出来た。そして、新しい経験をするために必要な1番は、やっぱり好奇心なのだと改めて思った。この機会をくださったお2人と、温かく親子を迎えてくださった参加者皆さんに感謝しかない。

 みなさんが初めての事で、躊躇する気持ちを突破するには何が必要ですか?
 

2024/12/17