メンバーとの協働、を体感する

 協働:同じ目的の為に、対等の立場で協力して共に働く事。(出典:デジタル大辞泉)
 私は、働く人が共に対等な立場で協力して働ける職場にする為の基盤として、コミュニケーションを通じた組織の活性化をしたいと思って事業を始めた。
 しかし、どうだろう。私自身がすべて自分で決めて、自分でやりたい、管理・コントロールしたいと思っている事に愕然とした。私の特質なのか。
 今回、研修に参加させていただくにあたり、私自身に求められている役割は以下の通りだった。
 ①自己理解のためのワークについて、一人ずつ話をしてもらう為のチーム内のファシリテーター
 ②①でしてもらった個々の話について、更に自己理解を深めていただく為の質問やFeedbackをする
 ③ワークの進行の為の時間管理
 自分の果たす役割の概要を知った時に(一人では難しいなぁ・・・・・)と、すぐに思った。
 ワークの発表の際に、一人ずつの話にじっくりと耳を傾け、話者の想いが滲んでいる所やそれに対して言葉がふわっとしていて、その想いや考えを深めてみたいと感じる所に集中していると、経過時間に気が回らなくなる。
 そこで、開始してすぐにタイムキーパーを誰かにお願いしようと決めた。今回のワーク全体の時間と、個々の発表と質疑応答時間、時々の残り時間を知らせて欲しいとお願いをしてみた。
 すると「やります!」とすぐにある人から反応が返ってきた。その方はすぐに携帯でタイム設定をし、話者の発表が終わるとすぐに「残り○○分△△秒です!」、私が話に夢中になっていると「残り△△秒です!」と、とても的確にタイムキーピングをしてくれた。
 おかげで、私はチーム内のファシリテートと各々の方の自己理解の支援に集中する事ができた。一人ずつの話を集中して聴ける、と言う事の安心感を非常に強く感じた。その為、その方に「的確な時間管理と、残り時間の案内をしてくれてありがとう!」と伝えると、その方は「リーダーをよくやりますし、あぁいうのは得意なんです!」とにこやかにおっしゃった。心からさすがだ!と思った。
 今回の件で、本当の意味で個々の方の特質を知り、活かし、任せる事の効用を実感した。その反面、私は何でも自分でやりたい・やらねばと、自分で勝手に背負い込みすぎてしまっているのだ、それで苦しくなっていると言う事にも気が付いた。
 自分で決めて、自分のやりたい様にやれれば達成感も充実感も味わう事が出来る。自分の出来るキャパシティを超えて(能力的にも、物理的にも)、やる事は成長に繋がる事もある。しかし、結果として時間が掛かりすぎたり、必要な能力やスキルが足りないために十分な効果・成果が出なかったりする事もある。実際の現場においては、期限がタイトだったり、必要最低限の成果が求められている時には、一人でやっていては上手くいかない事もある。そんな時は、まさにチーム能力(個人能力×メンバー数)の総力戦で挑むと言う事が必要になる。
 今回の事を振り返ってみて、本当にチームメンバー本人は、知らず知らずのうちにその特質を発揮しているのだな、と思った。タイムキーパーをかって出てくれた方のみならず、話をまとめてくださる方、話者に積極的に質問を振ってくださる方、静かに話を聴きながら的確な感想を述べてくださる方、自分の内面を丁寧に開示してくださる方等、皆さんそれぞれのチーム及び今回のゴールへの関り方でそこに居てくださる事で、チーム内に温かな空気が生まれていた。
 そんな皆さんの在り方が「対等の立場で働く」事を実践してくださった事で、今回のファシリテートが気持ちよく出来る様に助けてくださったのだと、心から感謝している。
 
 メンバーの力に助けられた!というあなたの経験を、私にも共有してくださいませんか?
 

2025/4/21